2014年9月26日 12:56
【インタビュー】楳図かずお監督×片岡愛之助 異色のタッグが生み出した新たな「恐怖の定義」
(映画監督の仕事は)大変な重労働ですね。愛之助さんに演技していただいている撮影だけが全てじゃない。その前後の仕事――絵コンテを描いたり、編集したり音楽を入れたりという全てをやらないといけない。ただ、僕もいままでいろんなことをやってきて、そうした経験が活きたなとも思います。
――自身の思い出や過去の作品の世界観をベースにして作り上げた物語だが、それ以外でイメージの元となったり影響を受けた作品などを尋ねると、こんな答えが返ってきた。
楳図:僕はあまり、映画を観る方ではないんですが、好きな映画は『ローマの休日』なんです。ある時、引っ越しをすることになって、部屋にあったものをいっぱい捨てたんですよ。本にレコードにCDと必要ないものをどんどん捨てた後に残ったのは童話集と昔話の本でした。
そのとき「あぁ、これこそが僕の本質なんだな」と気づきました。『ローマの休日』もどちらかというと昔話や寓話に近いですよね。なぜ僕が童話が好きかというと、始まったかと思うと数ページで結末が出てきて明快だから(笑)。この映画『マザー』もある意味で、明快で分かりやすいけど、掘り下げていくと、人間の生き方、ひとは死ぬ時どうなるのか?いろんなリアルにぶち当たり、様々なことを含んでいることが分かって来ると思います。