2015年5月22日 21:00
【インタビュー】マリオン・コティヤール、オスカー女優もときめくダルデンヌ兄弟の魅力
この映画は、私の心に強く訴えかけてきたこうした出来事を反映しています」。
これまでもダルデンヌ兄弟は、酒びたりの母親とトレーラーハウスで暮らす少女が職場を突然解雇される『ロゼッタ』、貧しい暮らしの中で生まれたわが子を“売って”しまう若いカップルを描いた『ある子供』、父親に育児放棄された少年と偶然出会った女性が心を通わせる『少年と自転車』など、困窮し混迷する社会のあるがままを描き出し、それでも真摯に生きる人々に寄り添い続けてきた。
「それぞれの映画で、彼らは社会の現実を観察しています。そして同時に、映画の新たな冒険を発明しているのです。彼らの映画は作家の映画です。しかし、彼らはあらゆるカテゴリーを逸脱することに成功しています。彼らの映画は、絶対的に普遍的なのです」。
また、自身の復職のために同僚にボーナスを諦めるよう説得しなくてはならないという苦境に立たされるサンドラを、支え続ける夫マニュを演じたのは、ダルデンヌ兄弟作品常連のファブリツィオ・ロンジョーネだ。
「彼はダルデンヌ兄弟の映画の世界に自然に溶け込みますが、それは、彼もダルデンヌ兄弟の映画の世界と同じ真実味にあふれているからです。