佐藤嗣麻子監督、「アンフェアは本当に“the end”。ふたりで新しいジャンルはあり得ます」
強い女性のキャラクターは女性に嫌われるとダメで、下手をすると嫌な人にも観えてしまう。そこへの気配りは“the end”の撮影中も怠ることはなかったですね」。
佐藤監督は連ドラ時代、脚本家として参加していたが、途中からは監督も手がけることに。雪平役の篠原さんと二人三脚の互助関係でシリーズを育て上げ、完結編は動員150万人を突破、興行収入も23.6億円を超す大ヒットを記録して有終の美を飾った。そこには言葉に出さずとも通じ合う、ある種の監督と主演の“共犯関係”があったと言う。「篠原さんとはお友だちですが、ベタベタするような間柄ではなく、戦友になりますかね。一緒に作ってきたので、それほど話さなくとも通じ合っている感覚はありました。本番中に撮影していてわたしが『もう一回お願いします』とだけ言うと、いつだったか『ああ、今のはよくなかったんだなってわかるんです』って涼子ちゃんが言っていたことを思い出しますね」。
この10年間、プライベートの時間で飲みに行く機会もしばしば。ただ、そこでの会話で記憶に残っていることは、アンフェアのこと。まるで業務連絡のようになっても、「そういう時間があったからこそ、いい作品へつながった」