2016年3月29日 21:00
「これはポルノじゃない!」ギャスパー・ノエ監督、日本の大量モザイク処理に吠える
すぐにエントリ―したノエ監督は、見事に助成金を手にすることができた。
ノーマルからアブノーマルまで、多様なセックスシーンが連発する作品に対して国から金が下りるというのも驚きだが「フランスは英語圏の国に比べると芸術に対して寛容な国。特に今回は待った甲斐があった」と説明する。プライベートでも一大事があった。「母親を亡くした事も大きい。1年くらい危篤状態で、その間は母が入院していた病院を行き来する生活だった。幸いにも死に目には会えたけれど、それから3か月ほどは落ち込んでいて何もできなかった」と打ち明けるが、この“愛するものの喪失と悲しみ”が、本作に強い影響を与えている。
ノエ監督が生み出す作品世界と類まれなるセンスに陶酔する熱狂的ファンは、国を問わず業界内外を問わず存在しており、ノエ監督の動向は常に注目されている。
それにも関わらず製作本数は少なく、寡作の映画監督として知られている。「オファーはあるし、脚本も持ち込まれる。でもほとんどが興味のない題材なので断っている。中にはキャスティングも揃ってお膳立てされている企画もあるけれど、その俳優と一緒にやりたいと思わない限り断る。特にハリウッドはプロデューサーが共同監督のように振る舞う事があるから、その場合も断る」