2016年4月28日 19:00
【インタビュー】渡辺謙、常に変わらぬ姿勢で変わりゆく死生観を語る『追憶の森』
で、それなりに面白いエモーショナルなシーンになったんですけど、あまりにもエモーショナル過ぎて、『これは使えないね』って(笑)。でも、そうやって毎日積み上げて行くことで、2人の関係性ができ上がっていったので、それは間違いではなかったなと思います」。
マシューについて、「もちろん経歴も違うし、歳も違うんだけど、タイプ的に似てるような俳優だという気はするんです」と言う。「それなりに準備はちゃんとするんだけど、それは全部置いて、裸一貫というか、何にも持たない状態でカメラの前に捨て身で立っていくところが結構似てるなと思って。あまり構えずに、そこで起きていること、そこで感じることをどこまで忠実に出せるか、みたいなことを2人でやっていけたような気がします」。
マシューは撮影時の渡辺さんについて、常に準備万端で現場に現れたと語っている。彼のコメントについて、「いや、四の五の言わないからでしょ」という反応がすぐに返ってきた。「現場に入って、『俺はこうなんだ。
このシーンは…』と、そういう理詰めの人もいるけど、僕はもう(笑)。そういう意味でも僕とマシューは似てると思ったんです。彼もそのままストンとそこに立つ人で。