くらし情報『【シネマモード】『LION/ライオン』原作者サルー「不幸を嘆くのではなく、いま起きていることを讃えよう」』

2017年4月7日 16:00

【シネマモード】『LION/ライオン』原作者サルー「不幸を嘆くのではなく、いま起きていることを讃えよう」

なぜなら、長いこと光を当ててこなかった部分を、オープンにしたわけですから、解放されたような気分でもあったんです。インドの家族と過ごした幼いころの日々を思い返すのも素晴らしい経験でした。すべての物事には、光と影があるものです」

――本を書くことと、映画を観ることは、自分の過去をたどるという意味では同じ旅のようでもありますが、感情的には大きな違いがありましたか?
「もちろん。映画はすべてがビジュアル化されていて、観ているだけで過去に引き戻されてしまいました。そして、当時の感情が鮮明によみがえってきました。ですから、冒頭からエンディングまで、目を向け続けるのはとてもつらいことでした。でも、こうも思ったんです。これが私の辿ってきた人生という旅なのは紛れもない事実だから、そんな運命を喜んで受け入れようと。
なぜこうなったとか、どうして自分がとか、そういうことを考えるのはよそうと。世の中にはこういうことが起きてしまうもので、そこに答えはないんです。そこに意味を見出そうとすると苦しくなる。だから、こう思うようにしたんです。こんなことがあったにもかかわらず、僕はそこから抜け出して元気に生きている。素晴らしい家族がいて、この信じられない物語を語る幸運にも恵まれている。

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