くらし情報『【シネマモード】『エタニティ』トラン・アン・ユン監督の独創的な想像性の源は?』

【シネマモード】『エタニティ』トラン・アン・ユン監督の独創的な想像性の源は?

そして、家族が多いと、自己を認識するために個性を輝かせる必要があります。でなければ、簡単に埋もれてしまいますからね。常に兄弟姉妹や親戚と比べられるので、葛藤しながら自ら居場所を見つける必要があります。家族の中の社会性が私にとってはとても興味深く、そんな環境は人間が育っていく上で必要だと感じています。

トラン・アン・ユン監督『エタニティ永遠の花たちへ』 -(C) Nord-Ouest
――監督ご自身は、そんな葛藤は必要なかったわけですね。

そうなんです。自分を過度に表現する必要はなく、誰かに自分の感情を伝えることもあまりしませんでした。でも、言葉はとても大切です。
言葉で表現することで、あなたの感情はよりリアルになるのです。パリはとても美しい街です。『モナリザ』も美しい絵画です。そして、それを多くの人々が言葉で表現してきました。賞賛する言葉が多くあることで、美のリアリティを増しているんです。

――この映画では、あなたは映像という言語で、家族や人生の素晴らしさを表現していますね。

互いを思いやる視線や表現、しぐさなどは、雄弁に人の気持ちを物語ります。私はすでに『ノルウェイの森』で、そういった映画言語を使っていますが、とても美しい表現だと思います。


――今回、登場人物たちには多くのセリフを語らせていません。

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