【シネマモード】『エタニティ』トラン・アン・ユン監督の独創的な想像性の源は?
画面がうるさくなりますからね。でも、そんなリアリティにもこだわりました。そこも注目してもらいたいです。
――すべてのものがあなたの想像力、創造性を刺激すると思いますが、日本で何か興味を惹かれるものは?
すべてです。普通はあまり気にしないようなものが、僕には興味深い。例えば、皇居前の広場に、芝生の上に松の木が並んでいるでしょう。それを見たとき、“日本人はなんてクレイジーに素晴らしいんだ!”と心の中で叫びました。松の木が通常より少し深く地面に植えられていることに気づきましたか?普通は根が成長した様子が地上から見える。
でも、あの松は完全に根が地中に植わっているから、まるで幹をすぱっと切り、それを地面にすっと刺したように見えるんです。まるで、アートインスタレーションのようにも見えます。昔から日本人は、コンテンポラリーアートを作っていたんですね。素晴らしいですから、ぜひそこを意識して観に行ってみてください。
――映画についてもうひとつ伺いたいことが。本作からは母性に対する敬意がとても強く受け取れます。監督自身も、母性への特別な思いがあるのでしょうか。
命を体の中で育む、それだけで女性は素晴らしい。