2018年11月6日 07:45
【インタビュー】趣里 絶望のどん底に落ちても「明日は来る」 己と向き合い、手にした喜び
主役か脇役かに関係なく、彼女の姿が気になって、ついつい目で追いかけてしまう――。そんな“心地の良い違和感”とでもいうような不思議な存在感を趣里は持っている。
幼い頃からバレエに打ち込み、英国への留学も果たし、ケガでバレエの道を断念するも、その後、舞台、映像と着実に経験を積み女優としてのキャリアを培ってきたというプロフィールだけを見れば、“王道”、“正統”といった言葉で括りたくなるが、そんなお上品な枠組みには収まりきらない凄まじいまでの熱量と衝動をこの小さな身体に抱えている。
まもなく公開の主演映画『生きてるだけで、愛。』の原作は劇作家で芥川賞作家の本谷有希子の同名小説。彼女に本谷作品の魅力を尋ねると「登場人物たちがちょっとエキセントリックなところもありますが、行く末が気になってしょうがないところ」との答えが…。改めて、彼女は出会うべくしてこの作品、寧子(やすこ)というヒロインに出会ったのだと実感させられた。
恋人の津奈木(菅田将暉)と同棲して3年になる寧子だが、以前より鬱を抱え、家事もバイトもままならぬ生活を送っている。
ひょんなことから津奈木の元カノの安堂(仲里依紗)を介し、渋々ながらもカフェバーで働き始めることになるのだが…。