2019年9月9日 08:00
【インタビュー】小栗旬×成田凌 未知の顔を見せた初共演、固い信頼関係で結ばれて
――太宰のおろかさや必死さには、試写室では笑いも沸き起こっていました。
小栗:笑えますよね。これだけ一生懸命みんなが生きているから、逆に笑えてきちゃう、という。すごく喜劇だと思いますし。彼は自分のことを道化みたいな言い方をしていますけど、そういう部分がある人だなと思います。実際、いろいろ残っている資料からも、太宰は決して暗い人ではなく、明るくユーモアのある人なんだ、ということが見えてくるので、そう映ったらいいなと思ってやっていました。
――蜷川監督との取り組みについてもお聞かせいただきたく。成田さん、今回初めての蜷川組でしたが、いかがでしたか?
成田:写真の現場でお会いすることがあって、そのご縁で、映像で今回初めてご一緒しました。
写真のときと変わらず、実花さんは現場を華やかにしてくださる印象です。すごくいい雰囲気でできたのは、とてもありがたいことでした。演出も、心にスッと入ってきてくださるというか、さらっと世間話風にしながらも「このシーンは…」というお話があったりして演出をされるんです。すごく聞きやすく、わかりやすく、本当に人の気持ちがわかる方なんだな、と思いました。
――小栗さんは、蜷川監督のお父様である故・幸雄さんと非常にゆかりがあると思います。