2019年12月29日 12:00
「同期のサクラ」「凪のお暇」ほか仕事・家族・恋愛…自分を重ねながら夢中になった2019年ドラマ
こうした個性的な登場人物のキャラ立ちに加え、凪やゴンの節約料理や、凪のゆったりしたお暇ファッション、ゴーヤ、黄色の扇風機などの美術セットに音楽といった、世界観の作り方も巧みで、あのアパート「エレガンスパレス」が癒やしの魔法に包まれているかのようでもあった。凪たちが抱える現代の悩みの深刻さを、どこかファンタジーな世界が見事に中和してくれた。
あのまま押しつぶされそうな空気の中で暮らしていたら、絶対に出会わなかったであろう人たちとの関わりの中で、凪はもちろん、似た者同士の慎二も変わっていき、ゴンも、坂本さんも、“アダハラ”(足立ハラスメント)とまで呼ばれた足立さん(瀧内公美)までも、それぞれに化学反応が起こって“おいしい空気”が伝播していく様子は、爽快で尊くもあった。そして、お暇には必ず終わりが訪れるもの。ちょっぴり頼もしくなった凪にさよならすることが、あれほど嬉しく、寂しく感じるとは思わなかった!
“サクラ”高畑充希が見つけた本当の“力”とは
「同期のサクラ」(NTV)
空気を読みすぎて病んでしまった凪ちゃんの後にやってきたのは、最初から空気を読む気のない(?)、忖度知らずの主人公・北野桜(サクラ)