2019年12月29日 12:00
「同期のサクラ」「凪のお暇」ほか仕事・家族・恋愛…自分を重ねながら夢中になった2019年ドラマ
だった。「過保護のカホコ」遊川和彦のオリジナル脚本のリアルとトンデモのボーダーをギリギリで演じられる高畑充希だからこそ体現できた役で、同期を演じた百合(橋本愛)、葵(新田真剣佑)、菊夫(竜星涼)、蓮太郎(岡山天音)という個性のバランスも絶妙だった。
そもそも同期に目をつけるのは、新しい着眼点だ。たまたま同じ地域に住んでいた義務教育と、たまたま同じ偏差値だった高等教育を経て、一社会人となって出会うのは、出身地も、学歴も、価値観もバラバラ。ただ、その理由は様々だろうが、多かれ少なかれ、その場所で何かを成し遂げたいという夢を持って集ったはずだ。そんな同期社員たちの10年間という月日を、よりコメディタッチのHuluスピンオフも含めて丁寧に積み上げてきたことは、特に8話以降、“仲間”がサクラに向けて語る言葉に重みを与えてくれた。
最終回の舞台は、2020年3月。副社長となった黒川(椎名桔平)の誘いを受けたサクラが花村建設に復帰するところから始まる。
いままで、“それはおかしい”と思ったら「スゥーッ」と息を吸い、相手が誰であっても逐一、口にしてきたサクラ。そして、その度にサクラを説得し、巧みに手綱をとってきたのが人事部長だった黒川だ。