2020年2月10日 16:00
ナオミ・ワッツ、“完璧な息子”に疑念…『ルース・エドガー』5月公開
そして、それとは真逆の過激思想を持った“恐ろしい怪物”という見方も、極端に偏った思い込みなのではないか。人種、容姿、性別、階級、学歴、思想、信仰……いったい人間の“価値”とは、何によって決定されるのか。本作では、アメリカという国の歴史や政治をも取り込み、その理想と現実をあぶり出していく。
注目の次世代スター×実力派キャストの“真実”をめぐるアンサンブル
主人公ルース役は、終末スリラー『イット・カムズ・アット・ナイト』における迫真の演技で注目されたケルヴィン・ハリソン・Jr.。同作品のトレイ・エドワード・シュルツ監督と再び組んだ「A24」配給『WAVES/ウェイブス』に主演、『ふたりのJ・T・リロイ ベストセラー作家の裏の裏』ではクリステン・スチュワートの恋人役を務め、英国アカデミー賞EEライジング・スター賞の候補にも選ばれるなど、いまブレイク中の新星が、まだアイデンティティが確立されていない17歳の少年の葛藤を生々しく体現する。
プライベートに問題を抱えながら、ルースと激しく敵対する教師ウィルソンを演じるのは、『ドリーム』『シェイプ・オブ・ウォーター』のオクタヴィア・スペンサー。
また、ナオミ・ワッツとティム・ロスが愛する息子への思いがけない疑念に動揺するリベラルな夫婦に扮し、観客の視点を担う役どころに説得力を与えている。