2020年2月13日 16:30
世界が抱える問題描く『レ・ミゼラブル』は「小さな屈辱や嫌がらせの積み重なり」シンポジウム開催
と感想を述べる。
望月さんは「監督がこの街で暮らしているということが、一つの特徴」と話し、「フランス以外から来た人達が、本質的に危険で、劣っていて、ずっと貧しくあってしかるべき、という描き方をしていない。子供や女性たちの明るい日常、生活の生き生きしたシーンがある。そして、最後のシーン、ある種の爆発が起きるまでの経過をしっかりと描いている。なんで、そうなってしまうのか。ムスリム同胞団のボス、サラが語った『怒りは避けられない』という言葉があった。なぜ、避けられないのか。警察的な暴力的に扱いが背景にあるわけですが、なぜあのような結末になってしまうのか。
なぜ、他の落とし前がつけられなくなったのか。そこがきちんと描かれていたのが良かったです」と評価。
また、中東のシリアやイラク、紛争の続いている地域で取材を行う安田さんは「そこからヨーロッパ、フランスに向けて難民として渡った人達がいる。その一方で、フランスからイスラム国に参加した女性たちに取材したことがあります。なぜ、そういう行き来があるのかを、私はつかめずにいました。この映画が全てとは言いませんが、何にせめぎ合い、どんな葛藤があって彼女たち、彼らがそうしたのか。