2020年6月18日 19:00
自然光が奇跡の一瞬、感情の動きをとらえる『WAVES/ウェイブス』撮影秘話
嵐と雷が迫る中で、水の中にいるのがギリギリ危険ではない最後の瞬間だったんだけど、全員の力と素敵な偶然によって魔法のようなシーンを撮ることができました」。
シュルツ監督がカメラやアスペクト比にこだわった理由は?
「ドリューと僕が目指したのは、タイラーやエミリーのありのままの姿を映し出している、主観的で表現主義的な没入型の映画を作ることでした」とシュルツ監督。「例えばオープニングシーンでは、タイラーとアレクシスの間で360度カメラを回転させているんだけど、あれはタイラーの感情、2人の関係、10代の恋を表しています。自由で美しく、少しだけ恐怖もある。タイラーとアレクシスは、思い切り愛し合っていて、思い切りケンカもする。若くて、自由で、ワイルドで、美しい2人だから、生の感情や恋心を表現するには、カメラを回すしかないと思ったのです」。
また、「360度カメラを若い恋のモチーフとして、(妹の)エミリーが旅に出るシーンで再び用いました。アスペクト比も登場人物の心情を感じてもらうには効果的だったと思います。
映画の冒頭はワイドレンズを用いて1.85:1にし、タイラーの充実した忙しない世界をたくさんの動きを入れて撮りました」。