くらし情報『【ネタバレあり】互いに”寄り添いながら”トラウマと向き合い乗り越えていく…「サイコだけど大丈夫」は究極の大人の童話』

【ネタバレあり】互いに”寄り添いながら”トラウマと向き合い乗り越えていく…「サイコだけど大丈夫」は究極の大人の童話

や「ザ・キング:永遠の君主」と同じスタジオドラゴン制作による今作は、本国での放送終了後、同日にNetflixで配信されると連日TOP10入り、「愛の不時着」「梨泰院クラス」に続く話題作となっている。

その物語はムニョンの作風のごとくかなり独特だ。キム・スヒョンが演じたガンテは、早くに父を亡くし、12歳で母を亡くして以来、7歳年上の兄サンテと2人暮らし。精神病院の“保護士”や様々なアルバイトをしながら、人間関係を最低限にシャットアウトして兄と転居を繰り返している。保護士とは精神疾患の患者の安全のために“体を張る”職種らしく、キム・スヒョン演じるガンテも必要とされればすぐさま駆けつける。

たったひとりで兄サンテの世話をしてきたガンテにとって、まず自分よりも兄、そして必要とされている人たちのために動くことが仕事であり、日常。そうして自分の感情や欲望を抑えながら、兄に向かう世間の冷たく、偏見に満ちた視線にも立ち向かいながら生きてきたガンテは、笑っているようで笑っていない、ジョーカーのような“仮面”の感情が張りついたまま大人になった。ガンテにとって愛する兄は大切な存在ではある一方、母の愛情を奪い自分の人生を縛りつけてきた存在でもあり、その矛盾が彼の心に暗い影を落としている。

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