2020年8月14日 18:00
作品の“質”、クリエイター発掘、プロモーション力…映画制作・配給会社「A24」の魅力
その後『スプリング・ブレイカーズ』や『複製された男』を配給し、2015年に配給した『ルーム』『AMY エイミー』『エクス・マキナ』が翌年にオスカーを受賞。2016年には『ムーンライト』で製作に乗り出し、『スイス・アーミー・マン』で世界配給にも挑む。その後の活躍は、いまや誰もが知るところだ。
若いクリエイターの発掘にも熱心で、『ミッドサマー』のアリ・アスター、『WAVES ウェイブス』のトレイ・エドワード・シュルツといった俊英や、グレタ・ガーウィグやジョナ・ヒルなどの俳優陣の監督作も積極的に支援。彼らの創造性に任せた作品作りが、功を奏している。
既存の枠に囚われないアイディアで躍進
このように、作品の“質”で名を挙げてきたA24だが、実はそれ“だけ”ではない。ブランディングとプロモーションにおいても、画期的な動きを次々と見せているのだ。
大きい部分は、自社のロゴの“売り出し”だろう。
作品の世界観に合わせてロゴをデザインするお家芸は言わずもがな、自らオンラインショップを運営し、A24のロゴをプリントしたTシャツやキャップ、傘などのグッズを発売。これらがアーリーアダプターに刺さり、「かつてないお洒落なスタジオ」