チャドウィック・ボーズマン、知性とカリスマの“ヒーロー”…その誇りと功績
将来、もし誰かがチャドに次ぐような位置の俳優になるとしたら、逃亡犯の1人マイケルを演じたステファン・ジェームズ(『ビール・ストリートの恋人たち』)なのでは?と今作を目にした方ならよぎるかもしれない。マイケルの境遇には、チャドが込めた思いが浮かんでくるようだ。
Netflix映画『ザ・ファイブ・ブラッズ』
スパイク・リーがベトナム戦争の傷描く
スパイク・リー監督が放つ「Black Lives Matter」にして、反戦映画。ベトナム戦争で心の傷を負った退役軍人たちが、当時隠した金塊と敬愛していた隊長の亡骸を探すために再びトラウマの地を踏む。戦争の爪痕を要所要所で挟んでくるが、そのとき、勇ましくカリスマティックにチャド演じる隊長の姿も“蘇る”。
今回残念ながら候補にならなかったが、主演のデルロイ・リンドーはアカデミー賞にノミネートされて然るべきの熱演。できればチャドと壇上で並ぶ姿が見たかった…。
Netflix映画『マ・レイニーのブラックボトム』
シーンを掌握する魂込めた演技
ハワード大学時代にチャドも触れたであろう、劇作家オーガスト・ウィルソンの戯曲を映画化。“ブルースの母”と呼ばれたマ・レイニー役のヴィオラ・デイヴィスも今回、アカデミー賞主演女優賞にノミネートされていた。