【インタビュー】『やすらぎの森』は「誰にでも当てはまる物語」ケベック出身の監督が惹かれたテーマ語る
カナダ10州の中で最も広大な面積を誇り、フランス語を公用語とするケベック。グザヴィエ・ドランやドゥニ・ヴィルヌーヴら、世界的なフィルムメーカーを輩出してきたこの地から届いた映画『やすらぎの森』は、人里離れた深い森を舞台に人生の晩年をいかに生きるかを観る者に投げかける物語。
ケベックを拠点にする女性作家ジョスリーヌ・ソシエの原作小説に感銘を受けた、同じくケベック出身のルイーズ・アルシャンボー監督が同郷の名優たちを迎えて映画化、自然の鼓動までも伝わってくるかのような世界観を見事に作りあげた。アルシャンボー監督は、本作の「アウトローなキャラクターたちに惹かれました」と語る。
人は「尊厳を保ちたい生き物」
「原作は人生や希望について書かれた小説です。どんなバックグラウンドでも、心をひらいて他者を理解することをこの映画は描いています。国籍や年齢、宗教や文化、性別などが違っても、その違いを恐れることなく、相手の話に耳を傾ければ、結局は皆、人を愛し、人に愛されたい、そして尊厳を保ちたい生き物であることが分かる。それが人間なのだと分かります。
また、人がそれぞれどう生きるか、そしていつ死ぬのかという自由を書いた小説でもあります」