2021年12月13日 18:45
新たな進化遂げるのか? 逆境に立つ香港映画のこれから
と称される新しい波の旗手たちが現れ、それまでの大衆的な路線に対して革新的な映画作りを試みた。
題材も、『男たちの挽歌』シリーズのようなギャング映画、時代劇アクションの武侠映画、社会問題を扱ったものや家族ドラマなど、さまざまなジャンルに広がっていく。もちろん王道の娯楽映画も大人気。日本でも、ジャッキー・チェンなら老若男女が知っている大スターだった。
『ポリス・ストーリー 香港国際警察』
香港映画の最盛期は1990年代前半。年間200本以上が製作されたが、90年代後半に入ると、不況による資金繰りの問題や観客の減少によって陰りが見え始める。ちなみに、公開ベースであるが、2020年に現地で上映された香港映画はわずか34本だった。そんな1990年代に注目された監督が、ウォン・カーウァイだ。
それまでの香港映画にはないスタイリッシュな作風で世界の映画ファンを魅了。日本でも90年代、香港映画を入り口に、香港に魅せられて足繁く現地に訪れる女性たちが現れた。『恋する惑星』(94)『天使の涙』(95)などで切り取られた街並みを見ると、その頃の熱狂と共に、香港の香りや人々の活気を思い出す映画ファンも多いのではないだろうか。