2022年3月7日 07:45
【インタビュー】中村倫也の更なる躍進、“受け”と“攻め”の演技を自在に操る表現術
とおっしゃっていたのを思い出しました。
そういう意味では、すごくリアリズムな芝居は意識していましたね。モノローグがあるからというのもありますが、口では「そうだよね」と言いながら、本当は面倒くさいなと思っていて、その言葉がモノローグで入る。いわばモノローグで担保してくれるので、撮影中はより対面のリアリズムに重きを置いていました。
僕たち自身もそうですが、別のことを考えながら生きているものじゃないですか。そういう意味でも、今回はリアルっぽいものを追求しました。
――モノローグを“声の演技”とすると『私をくいとめて』にも通じますし、アニメ映画『100日間生きたワニ』や『劇場版 岩合光昭の世界ネコ歩き あるがままに、水と大地のネコ家族』でのナレーション、「バンクシーって誰?展」の音声ガイド等々、声の表現がより拡大している印象です。声の演技に関して、どのようなお考えをお持ちなのでしょうか。
作風というか、求められるものによって渡すものを変えるという感じですね。ナレーションであれば映像を観ながらやりますが、音声ガイドは声の情報がちゃんと入るのはもちろん、展示の物語を構成に沿って出せるように心がけます。