2022年11月20日 12:40
【ネタバレあり】『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』7つの見どころ…マーベル最大の喪失を世界が受容する
悲嘆と自己嫌悪の中で、1年もラボに籠もりきりとなっていた。
前作ではコミックリリーフ的な役回りでもあり、国王にしてヒーローである兄ティ・チャラを唯一からかうことのできる存在で、けらけらと無邪気に笑っていたのに、今作では“兄”不在の世界を生きていかなければならないシュリ。彼女が心の底からの笑みと安らかな表情を見せたのは、下の項で触れるラストシーンだけだ。
今回は、王位継承の儀式に代わりにやってきたジャバリ族のリーダー、エムバク(ウィンストン・デューク)や、国王親衛隊“ドーラ・ミラージュ”隊長のオコエ(ダナイ・グリラ)らが喪失感貫く劇中でユーモアを提供するキャラクターとなっている。
★母ラモンダの悲しみと葛藤
前作『ブラックパンサー』も喪失が始まりだった。『シビル・ウォー』で描かれた前国王ティ・チャカの死、そして1992年のカリフォルニア・オークランド、ティ・チャカの弟でキルモンガーの父ウンジョブの死。その後、キルモンガーという脅威の出現と、戦いと決着。今回もおおむねその流れを組み、海底王国タロカンを治め、マヤ神話の創造神で“羽の生えた蛇”を意味する“ククルカン”と呼ばれるネイモア(テノッチ・ウェルタ・メヒア)