2023年9月1日 12:00
【インタビュー】杏×呉美保監督、みんな違うからこそ意識したい“寄り添う”ことの大切さ
杏:今回、問題提起とか、「大変なんだよね」「どうにかしてよ」とか、そういうことは強調しないようにしようと、最初に監督と話をしました。それを言ってもねっていうところもあるし、淡々と描かれているからこそ私はこの作品をドラマチックに感じました。ですから、この物語の受け取り方はきっと見た人それぞれ、引っ掛かるところが違うのではないかとも思います。そういう余白がある作品。短編の中で1週間を描ききったということも本当に素晴らしいと感じます。
――監督も、杏さんも、母親ですが、主人公にはどんな言葉をかけてあげたいですか。
杏:お疲れ、ですね。頑張れは言えないですし、休んでと言ってもしょうがない。
休むのも難しいですしね。
呉監督:本当にそう、お疲れ、ですね。ほんのささやかな言葉をもらうだけでいい。子供に「ママいつもありがとうね」とたまに言われるんです。別にそんなに深く考えて言っていないと思いますが、それだけでも報われる感じありますね」
コロナ禍を経て再び他者を認め合う時代へ
――このアンソロジー映画では、ジェンダーギャップをテーマにしていますが、全7作品とも共通して、理解者とか手を差し伸べる存在の重要性も描いていますね。