2023年9月1日 12:00
【インタビュー】杏×呉美保監督、みんな違うからこそ意識したい“寄り添う”ことの大切さ
呉監督:いろいろな国で、女性たちが今置かれている状況、抱えている問題を知ることができるので、すごく大事な、そして必要な映画だと感じました。それこそジェンダー問題だけじゃない。多様性という意味で、もっともっと世の中が開けていくといいなと思っています。
新型コロナウィルスの蔓延をテーマにした作品もありましたが、世界各国がコロナで閉鎖的になったこともありました。そこでもう一度、自分を見つめ直せたからこそ、みんなが再び他者を認め合おうとしている。この映画からはそれを強く感じました。
杏:各作品それぞれ、女性キャラクターをはじめ、登場人物の多くがどこかしら閉塞感を抱えています。そこに風穴が開いて、差し込んできた光が心地いいなとか、ちょっと救われるという展開が、どの国の作品にも含まれていますよね。
それぞれの国には、異なる事情や違った背景があるとは思う。それでも、同じ光のようなものを感じられた気がしました。
――「WDIT」の主旨についてはどう思われますか?
杏:寄り添うことの大切さや難しさが、今、注目されていますよね。 核家族化していたり、ネットワークの発達によりコミュニケーションの形が変わってきたり。