【インタビュー】石原さとみ&中村倫也、共演作で得た新たな“気づきと感覚の共有”
台本はあるわけだから。
石原:そうなんですよね。ただ、その意識も実は薄くて。というのも、セリフを必死に覚えよう、というものではなかったんです。台本がスッと肌に入ってくる感じがありました。
圭吾と車中で話すシーンがありますが、何回やっても全然うまくいかなくて。そうしたら吉田さんが元々あった長ゼリフを現場でバッサリ切ったんです。オリジナル作品で監督・脚本の両方を吉田さんがやっていらっしゃるからできることだとは思いますが、そのおかげで高まった部分を言葉にせずに感情だけで動けた感覚がありました。
中村:相当テイクを重ねたとは聞きました。
石原:少なくとも10回以上はやりました。
中村:そんなに!?あなたは本当に偉い。僕なら帰りたい(笑)。
――今回の撮影の中では、特に回数を重ねた方なのでしょうか。
中村:シーンによってまちまちでしたが、そうかと思います。ただ一方で、言われているように全体的に早撮りで、熱量といいますか塊肉のようなものをほぐして撮っていくには相当スピーディな方という印象です。
石原:そんな方がテイク数を重ねるということは多分私でてこずっているんだろうな…と申し訳なく思いつつ、でも決して諦めることなく付き合って下さって有難かったです。