【インタビュー】黒沢清監督が語る、黒沢流・恐怖演出と映画『Chime』での挑戦
いまや、スマホで観る方もいれば今おっしゃったようにテレビで観る方もいて、様々な見方が普及していますよね。僕だってそんな形で映画を観ますし、「どういう形でもお好きに観てください」という気持ちで特にこだわりませんでした。
ただ、45分という長さは僕にとってほぼ初めてに近いもので、普通の映画の半分くらいだけれどいい加減にやると凄く退屈したものになってしまうし、色々盛り込もうとしてもあっという間に時間がなくなるし、どれが正解かは未だにわかりませんが試行錯誤しながら作ったつもりです。といっても、たかだか45分しかないので適当なところで終わっても観た人は怒らないだろう、と思ってもいました(笑)。これが2時間の映画だったら「結末をちゃんと作れ」とか言われちゃうのでしょうが、突然終わるのは45分ならではの自由だと信じて、作っていきました。
――45分に収めるにあたって、脚本執筆や編集段階等で取捨選択は多かったのでしょうか。ある程度はありますが、シークエンスを丸ごとばっさり無くした等はないかなと思います。長すぎるシーンをちょっと短くする程度でしょうか。
――となると、45分という初めての挑戦でもある程度は計算通りに進んだのですね。