「はて?」と上げる声、その心は寅子と共に…「虎に翼」が残したもの
2人の好きな台詞はいくつもあるが、よねが性暴力や、いじめ、DVといった暴力は「思考を停止させる。抵抗する気力を奪い、死なないために全てを受け入れて耐えるようになる」という、思考や行動、言葉、尊厳すべてを奪うものだと語ったことが特に印象深い。
よねを演じた土居は一躍時の人となり、10月クールのドラマ「無能の鷹」ではオレンジヘアのエンジニア役という大転換を見せる。戸塚も7月期の「青島くんはいじわる」にもレギュラー出演(久保田先輩役の小林涼子と)し、トラつばキャストが大勢出演した「新宿野戦病院」にも参加するなど、改めて注目を集めた。
「はて?」が石を穿つ「雨垂れ」になる
最終話では、男女雇用機会均等法施行を伝える1999(平成11)年のニュースを1人で見つめていた優未が、笹竹へ出かけ(外観はモデルになった「竹むら」!)、御茶ノ水の聖橋で美佐江と美雪(片岡凛)にそっくりな、突然の解雇について“PHS”で会話する女性に思わず声をかける姿があった。
第1話にも登場した橋の上では、戦後と同じように重い荷物を運ぶ年配の女性や、楽器を抱えた若い女性が呆然と佇んでおり、第1話の光景と重なる。あのときは何の術も持たずにいた寅子に代わって、「自分の中に母を感じた」