「はて?」と上げる声、その心は寅子と共に…「虎に翼」が残したもの
など「虎に翼」で初めての感触を得たという声もある。
確かに、「虎に翼」は始まりからちょっと違っていた。子役による幼少期をすっ飛ばし、第1週から早々に寅子は“よき妻よき母”になるための見合いを断り、法律の道、母・はるがいう“地獄”へと道を踏み出そうとしていた。
ほかにも、社会的信頼を得るために結婚したり、キャリア過渡期での妊娠を真正面から描いたり、生理が重くて寝込んだり、更年期特有症状のホットフラッシュに悩まされたり…といった主人公を劇中で描いてきた。「ほてほて」する寅子が梅子に「あらあら、こちら側へようこそ~」と笑顔で言われたとき、心が軽くなったという視聴者の声もあった。
また、寅子が早々に見切りをつけた専業主婦業をまっとうした、森田演じる花江の存在についても最後まで描いてくれた。見過ごされがちだが、中学生の優未(毎田暖乃)が認知症の進む航一の義母・百合(余貴美子)のヤングケアラーになりかけていたことも思い起こされる。
いまを生きる自分と同じ、という感覚を「虎に翼」は常に与えてくれたのだ。
離婚した梅子が最初に身を寄せたのは、よねと轟がカフェー「燈台」跡に設立した「山田轟法律事務所」