「はて?」と上げる声、その心は寅子と共に…「虎に翼」が残したもの
だった。ここは原爆裁判や、民族差別、LGBTQ+、同性婚、夫婦別姓から、おぞましい虐待と尊属殺人に至るまで、「虎に翼」が果敢に挑んだテーマの主な舞台の1つになってきた。誰もが自尊心を削られることなく弱音を吐き出せる、まさしく光の道しるべとなるような場所だった。
よねと轟の裏話が聞ける動画「トラつばの裏側しゃべってみた」でも戸塚は「山田轟法律事務所」は「自分のことを正直に話す場所」と言い、土居も「教会みたいな感じ」と表現する。
何より事務所の壁には、「虎に翼」を貫く大きなテーマでありモットーといえる憲法第14条1項「すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない」が手書きで綴られている。これを万感の思いで書いたのは、他ならぬよねである。
よねは寅子や轟、女子部の面々と関わるにつれ、堅い殻がどんどん破れて愛おしさが増し、応援したくなるキャラクターとなった。バンカラを鎧のように纏いながら不器用で情に厚い轟に対しては、“#俺たちの轟”というハッシュタグも生まれたほど。
主人公の近くにいる名前のある登場人物で、同性の恋人がいたのも朝ドラ初だろう。