2020年4月10日 11:30
あかん女 第1回 唐突な"あだ名呼び女"には依存性が潜んでいた
また、こんな一面もあった。腰巾着のようにつきまとっていたリーダー格にも、ちょっと気に入らないことがあればすぐに突き放す。感情の起伏が激しいのだ。
そんな真央の様子を見ていたら思い出したのが、とあるエステティシャンのAさんだ。
元々は友人の紹介で知り合ったのだけど、私との距離感を縮めるスピードが異常に早かった。いきなり『出会えてよかった』と会った翌日に届くメール。男性に言われるならまだしも、女性に言われるのはなんだか歯が浮き立つ。そして一番ドキッとしたのは、
「ひいちゃん」
と、出会って早々にあだ名で呼ばれたことだ。
この呼び名、私の『久乃』という名前から来ているのだけど、東京では誰にも呼ばれた記憶がない。たいがいは呼び捨てか、さん付け、ちゃん付け。『ひいちゃん』と呼ぶのは地元の親戚だけだ。私はここで違和感を感じた。いや、ちょっとした恐怖だと呼んでいいかもしれない。
それからもAさんの私に対する接近攻撃は続く。いい書籍のネタがあると呼び出されると、自著伝をディレクションしてほしいと、唐突な猛烈アピール。しばらくすると、会員制レストランへ行きたい、著名人を紹介してほしいとおねだりの連打。