2014年11月8日 08:00
長友佑都の"代役"に収まらない希少価値の左サイドバック・太田宏介の矜持
太田自身も、必殺技の封印を解く瞬間を心待ちにしている。
「代表でプレーする時間が増えてくれば、そういう場面も出てくると思っています」。
横浜FCで迎えた3年目の2008年に、左サイドバックの大先輩でもある都並氏が監督に就任した。指揮官も太田の潜在能力を見抜いたのか。「左利きは必ずストロングポイントになる」と熱く説かれ、守備のイロハを伝授された日々の中で、目指すべき左サイドバック像が組み立てられてきた。いまでは「長友」という名前を出すと、こんな言葉が返ってくる。
「長友さんと比べるというか、(左足の精度は)自分のオリジナルだと思っていますから」。
太田が獲得したキャップ数「3」は、長友の「76」に遠く及ばない。
それでも、遠い背中との距離を一気に詰める可能性を秘めながら、遅咲きのレフティーは11月10日から愛知県内で始まる代表合宿に参戦する。
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○筆者プロフィール: 藤江直人(ふじえ なおと)
日本代表やJリーグなどのサッカーをメインとして、各種スポーツを鋭意取材中のフリーランスのノンフィクションライター。1964年、東京都生まれ。早稲田大学第一文学部卒。