2014年を代表する楽曲『Let It Go』は『世界に一つだけの花』の子孫? - 紅白歌合戦は「上から目線」で歌詞を楽しめ!
○20年前の紅白は7割以上が「ラブソング」だった
「歌といえばラブソング」と言っていいほどに、恋愛を題材にした歌は昔から流行歌の主役である。実際、1994年の紅白歌合戦では出場した50組のうち37組がラブソングを歌っている。実に7割以上。当時の放送時間は3時間45分だから、単純計算で2時間半以上にもわたって延々と恋の歌が流れていたことになる。
ところが、今年の紅白を見てみると、ラブソングを歌う予定であるのは全51組中わずか21組。流行歌の代名詞だったラブソングは、今や全体の半分以下にまで激減しているのだ。
今年はラブソングのかわりに何が“キテる”のかは後述するとして、ラブソング全盛期だった94年についてもう少し詳しく見てみよう。実は、同じラブソングといっても、男性歌手と女性歌手とで内容が大きく違うのである。
例えば、当時ミリオンセラーとなった山根康広の『Get Along Together』では、
“誰より君を愛してる”、“もう二度と放さない”、“ずっと守ってゆく”といった、非常にストレートな「好きフレーズ」が頻出する。また、この年初出場だったTOKIOも、デビュー曲『LOVE YOU ONLY』で、“君が好きだよ”、“君がすべてさ”、“会った瞬間”に“胸の時計”は“動きを止めた”などと、こちらが恥ずかしくなるくらいに「好き好き」