2015年2月12日 11:56
人に聞けない相続の話 (1) 「うちには大した財産はないから相続は関係ない」は本当か?
連載コラム『人に聞けない相続の話』では、相続診断協会代表理事の小川実氏が、その豊富な実務経験をもとに、具体的な事例を挙げながら、相続の実際について考えていきます。
【ケース1】母親は、東京で長男家族と同居していました。もう一人の相続人となる次男は、大阪の会社に勤務し、家族とともに大阪に住んでいます。母親が亡くなる1週間前にお見舞いに来ましたが、その前に母親の顔を見せたのは2年以上も前の事でした。
母親は、亡くなる1年ほど前から足が不自由になり、一人ではトイレに行くのも難しい状況でしたが、長男の妻の献身的な介護もあって、非常に安らかな最期を迎える事が出来ました。
亡くなった母親の財産は、長男と同居していた先祖代々の家(5,000万円)と預金(1,000万円)でした。
平成27年から相続税法の基礎控除が下がり、相続人2人の場合の基礎控除は4,200万円に下がりましたが、母親と同居していた長男が家を引き継げば、小規模宅地の評価減の特例が使えるため相続税も0円となるので、「我が家には相続は関係ない」と長男は思っていました。
次男から「法定相続分である3,000万円をもらいたい」と言われるまでは…
【診断結果】相続の話になった際、「うちには大した財産はないから相続は関係ない」