2015年2月12日 11:56
人に聞けない相続の話 (1) 「うちには大した財産はないから相続は関係ない」は本当か?
とおっしゃる方が、たくさんいらっしゃいます。そういう方は、ほとんど「相続税がかからないから」関係ないと思っています。
確かに、「財産の金額が相続税に基礎控除を下回る場合には、相続税は関係ありません。しかし、「相続は、相続税を支払う事だけ」ではありません。財産が基礎控除以下の方も、遺産分割をしなければいけません。実際には、"大した財産がない"場合のほうが、揉めています。
遺産分割事件の数は年々増える傾向にあり、平成25年度は1万2,263件に上ります。その内訳を見ると5,000万円以下の財産の方が4分の3を占めています。
つまり、遺産分割調停の4分の3は、昨年までであれば、財産が相続税の基礎控除以下の方「大した財産がない」場合なのです。家1軒、現預金がわずかという財産の方が、分けられない遺産を巡って、骨肉の争いをしています。
なぜ、相続が"争族"になってしまうかというと、
平等に分けられない
家督相続と平等相続のギャップ
近くに相続について相談する相手がいない
の3つが大きな原因として挙げられます。
○(1)平等に分けられない
相続財産の1/2を占めるのが不動産で、分けられない財産の典型です。