2015年2月12日 11:56
人に聞けない相続の話 (1) 「うちには大した財産はないから相続は関係ない」は本当か?
冒頭のケースで、自宅を売却して財産を1/2に分ける事が出来ない為、弟の申し出もあり、母親と長男家族が住んでいた自宅を、「長男と次男の共有」にしたとします。
10年後に弟が先に亡くなると、長男の家の家主として、次男の妻や甥姪が登場し、やがて家賃を請求されるようになったり、持分の買取りを要求されるようになったりします。
母親の死後10年も経ってから、元々兄弟が生まれ育った家を巡って、長男は悩み、最悪は売却をしなければいけない事も起こりえます。
未上場会社の株式もまた、会社の支配権をめぐって争いが起きやすいので、平等に分けづらい財産です。
全てが金融財産でもない限り、法定相続分どおり平等に分ける事は不可能に近いのです。
また、親が亡くなった時の財産を平等に分ければ、相続人すべてが納得するかというと、「大学へ行った。留学した。高校しか出ていない。
マンションの頭金を出してもらった。結婚式の費用を出してもらった」など生前に親が子供に使った金額も平等ではないので、相続の際、そのような不満が爆発することも良くあります。
兄弟姉妹の争族は、親の愛情を巡ってのケンカ、自分の方が愛されていたと思いたいケンカです。