星野源の演じる“普通”、小栗旬の存在感…野木亜紀子が見た『罪の声』俳優の魅力
阿久津は狂言回し的な役割なんですけど、それだけでは主人公として機能しないので、なぜ社会部から文化部へ来たのかなどの理由を描いてます。実際観てみると、演技に過剰なところがなく、それでいてちゃんと存在感があるのが見事だなと思いました。存在感があるのに、さりげなくいる感じがあります。だけどクライマックスでは静かな熱が伝わる。
――『MIU404』で機動捜査隊の一人の陣馬を演じた橋本じゅんさんも、続けて出演されているということで、公開前から期待が高まっていますね。
小料理屋の板長を橋本さんにお願いしたと聞いて、「大丈夫? やりすぎない?」なんて冗談で言っていて。あがりを見たら、すごく良かったですよね。あの役って「うかつ」な役じゃないですか(笑)。
そういう「うかつ」な役を、うかつに演じていて面白かったですね。妙な説得力がありました。
――シリアスな場面の多い映画の中で、くすっとできるのが橋本さんのシーンでしたよね。『罪の声』は、キャスティングにほとんど口出ししてないとのことですが、本当に野木さんの作品で活躍してた人が演技しているのがうれしくて。
市川さんもそうですもんね。市川さんに関しては、「誰がいいと思う?」