エンタープライズ0.2 - 進化を邪魔する社長たち - (311) オウムとイスラム国とSNSの類似性は宗教0.2
○宗教にはまる理由
さらにオウムに限ったことではありませんが、「宗教」をやっている人は、みな「良い人」に感じさせるものです。私もある「道場」に誘われ、新興宗教に片足を突っ込んだことがあります。
未成年も終わりを告げるころ、世間はバブル経済に熱狂しつつも、誰もが漠然とした不安を抱えていました。オウムの拡大期と重なりますが別の新興宗教です。そして両足をいれる直前に、ある人から忠告されました。
「宗教をやっている人は、みな良い人。良いことをやっていると信じているのだから当然」
ムッとしました。自分に親切な人を悪くいわれたと反発したのです。
これは「内集団バイアス」と呼ばれ、カルト集団からの脱退を難しくさせる理由のひとつです。所属する(関係する)集団と自己の同一化で、反対するものの存在により、自分の意志で関係性をより強めてしまうのです。
しかし、勧誘する側が親切なのは当然で、住宅展示場の接客担当が至れり尽くせりの接待をするのと同じです。忠告者は言いました。
「本当の信仰とは求める人に開くもので、勧誘するものではない」
ちなみにこの忠告者は、別の新興宗教の教祖的立場にありましたが、確かに今に至るまで一度も勧誘されたことはありません。