筧利夫が見た『パトレイバー』の世界、そして後藤と後藤田の違い「押井監督が望む上司像がわかった」
今回の映画について、そして後藤田という人物について、筧にお話をうかがった。
○部隊の中の"非常勤講師"
――『TNG パトレイバー』は、シリーズ13本+長編劇場版という形で制作されました。撮影期間も長かったと思いますが。
特殊な作品でした。(撮影期間は)7カ月くらいですかね。長い間やるのは楽しかったです。
――以前、主演の真野恵里菜さんはニ課棟に毎日通って、本当に勤めてるようだと話していらっしゃいましたが、隊長の筧さんはいかがでしたか?
僕は撮影がそう毎日じゃなかったので、まあ非常勤講師のような感じだったかな。最初のうちは10日に1度、1シーン撮影するだけで、そのために他の9日間はずっとまんじりともせず過ごし、また1シーンやって……という感じだったので。
その1カ月感は思い出深いかな。出勤日が多い月もありましたけど。
――そうした毎日の関係性の中でキャラクターがつくられていったことが、劇場版の"インフラ"になったと押井監督がおっしゃっていましたが、隊員たちの距離感はどんな感じでしたか?
やっぱり隊員と隊長ですからね。何考えているかわからない隊長ですし、歳も違いますし、距離感はありましたよ。