くらし情報『須賀健太、「僕は何もできなかった」からの10年…震災映画を経た変化と葛藤』

2021年3月26日 10:30

須賀健太、「僕は何もできなかった」からの10年…震災映画を経た変化と葛藤

だからといって、僕含めて何ができるんだといったら、それはまた難しい話でもあるんですけど……現在進行系でその土地で生活している人たちがいる。撮影から5年が経ちましたが、そういうことを強く感じます。

本当の意味で、「忘れない」とはどういうことなのか。この作品を通して、自分も考え続けていきたい。今生まれた子たちは、当たり前ですけど震災を知らない世代です。そういう子たちにも届いたらいいなと、5年前は漠然とそんなことを思っていました。

何もできずに悶々としていた自分にとっては、自己満足なのかもしれないですけど、震災に関わるお仕事を役者という自分のフィールドでできたことが何よりもありがたかった。伝えることが仕事で、演じることも仕事。
でも、キャスターさんや記者さんとは違う伝え方です。なかなかそんな機会は頂けないと思いますので、僕を選んで頂いて……でもこれは僕の感覚での「良かった」でしかないので難しいんですけど……。僕としては、関わることができて良かったです。

○■「当事者ではない僕」の向き合い方

――俳優でしか関われない仕事ですね。

現地に行って撮影していた時期、振り返ってみると町全体で盛り上げてくださって、「来てくれてありがとう」

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