中村倫也「今とても心地いい」 ブレイク後の変化の中でたどり着いた自然体
「こういう人だなと思っていた人が実はそうではなかったり、出会った人たちの意外性に触れるたびに、『僕はこう思い込んでいた役は、実は違うのではないか』と思うようになり、『ようわからんなあ』となっていきました。現場で『ようわからないけど、こんな感じかな』という1日の終わりも増え、でもそれでいいんだろうなと思っています」
「こういうキャラクターだ」と決めつけたほうが断然楽で、セリフを覚えるのも早いそうだが、「そう思っちゃったから仕方ない。もう楽できないんだなと思います」と笑う。そして、大変ではあるが、「決めつけないで演じたほうが、役というより人間と向き合っている感じがします。『お前はこういうヤツだろ』と決めつけていたものが自由に勝手に育つようになり、キャラクターではなく、ちゃんと人になっているなと感じます」と、自分としてもしっくりきている。
■平常心をモットーにマイペースなふりをしていたことも
エッセイでは、“平常心”をモットーにマイペースなふりをしていたことや、2019年に『NHK紅白歌合戦』で歌唱した際、自分のペースでいられなくても精一杯やったことが誰かの笑顔につながるのもいいなと感じることができたという心境の変化も明かしている。