2015年7月14日 12:00
兼業まんがクリエイター・カレー沢薫の日常と退廃 (19) 漫画家という職業選択と親心
しかし、親にとってみれば子供がそういう職業を目指すのは止めたいし、なってからも心配の種と思われているケースが多いと思う。
しかし、時勢の変化とともに「漫画家を目指す子供と親」情勢は変わってきているようで、今では漫画家を目指す子供を止めず、漫画学校へ通うことも許し、卒業後も就職を促すことなく、デビューまで面倒を見てくれる親が増えてきているという。あまりに世の中が不安定なので、「どうせ安定した職がないなら、夢を追った方がいい」と考えている親が増えてきているのかもしれない。
反対されるよりはバックアップしてくれる方が良いには決まっているが、経験上、漫画というのは、いくら時間と描ける環境がそろっていても、描かない奴は描かない。そのため、気づけば子供が「自称漫画家志望」という、幾重にもわからない職業についている場合があるので注意が必要である。
先ほど、親からは漫画について応援されていると書いたが、実をいうと、両親は私がもう漫画の仕事をしていないと思っている。現在、親が把握していた漫画の連載は全て終わっており、新しく始まったものに関しては一切言っていないので、親は私の連載はもう一本もないと思っているのだ。