2015年8月26日 11:52
学習者の体験を作るデジタル教材とは - 早稲田大学アルベリッツィ准教授が語るiPad活用の成果
タップして意味を調べる、問題に回答し先生に送る、触れて回答を確認する。こうした作業が理解し覚えることに役立つと考える氏は、デジタル教材の制作においては「読み手としての学習者の体験を中心に置かなくてはならない」と強調する。
例えば、欧米の大手出版社が出すデジタル教材は紙の発想から縦位置でデザインされたものが多く、テキストと並行するべき練習やインタラクティブな要素が、レイアウト的な制限から隅にやられたり、ページをめくらないと使えないことがある。こうした操作の煩わしさが学習を妨げるとして、氏の教材では読者の目がスワイプにそって情報を得ることができる横位置を用いている。
さらに、見やすく連続した学習体験を目指し、コンテンツの所在がきちんと伝わり、機能を重視したレイアウトになるよう工夫を重ねてきた。
アルベリッツィ氏 「最初に作ったテキストブックにもインタラクティビティはあるものの、ただ置いてあるだけでした。コンテンツの量や並べ方を整理し、枠線の種類やレイアウトを工夫して、読み手が情報を自分の力で見つけられるよう考えました」
テキストブックの制作にiBooks Authorを用いる理由について氏は、簡単に使え、テンプレートが豊富なこと、そして利用できるデバイスの幅広さを挙げた。