くらし情報『あの芥川賞受賞作が世界190カ国に一斉配信! ピース・又吉直樹原作『火花』のドラマ化は"平凡な奇跡"』

2016年6月2日 07:00

あの芥川賞受賞作が世界190カ国に一斉配信! ピース・又吉直樹原作『火花』のドラマ化は"平凡な奇跡"

自分たちが世間に見向きもされない怒り、自分が面白いと思う笑いとテレビで求められる笑いとの違いに葛藤する姿、先に売れていく後輩たちを目の当たりにした焦燥、売れ始め周囲からの待遇が変わっていくことへの戸惑い、自分が変わっていくことへの恐怖、そして"使い捨て"のように仕事を失っていく絶望感……そんな若手芸人の苦悩が、又吉独特の文体をそのまま描写したかのような美しい映像で迫ってくる。

こうした作品で難しいのは実際の漫才をいかに見せるかだが、この部分も本作は丁寧だ。

スパークスとあほんだらの漫才それぞれが、ちゃんと各コンビ独自の漫才になっているのがそれを証明している。ドラマ後半には「ああ、この漫才はスパークスっぽいな」と思えるほどだ。もともと芸人である好井まさおはもちろん、漫才は素人である林遣都もネタを自分のものにし、あたかもコンビが実在しているかのように、"芸風"を確立させている。

圧巻は第9話の漫才シーン。「世界を覆すような漫才をやるために、この道に入りました」という徳永の前口上から始まる漫才は、あまりに切なく胸が締め付けられる。○波岡一喜の起用で成功が約束された

本作の肝となるのは間違いなく神谷だ。

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