『SMAP×SMAP』終了で消える「音楽×笑い」の灯 - クレイジーキャッツ、ドリフから受け継いだ歴史のバトン
○「音楽×笑い」という武器
平均年齢21.6歳の若きアイドルによるレギュラーバラエティは、スタート直前、業界内できっとこけると囁かれていた。しかし彼らがその予想を覆すことも、ある意味必然だったのかもしれない。子供時代をドリフと共に過ごした彼らが『夢がMORI MORI』(フジテレビ 1992年~1995年)のプロデューサーに拾われたきっかけの言葉は、ジャニーズ事務所からの「平成のクレイジー・キャッツにしたいからお笑いを勉強させてほしい」。クレイジーとドリフの血が流れるアイドルの彼らがテレビで勝つために選んだ武器こそ、「音楽×笑い」だった。そして全ての始まりとなったフジテレビ開局翌日の『おとなの漫画』第1回から55年後の未来で、SMAPは叫ぶのだ。
■香取慎吾「僕らの武器、テレビでこんなに遊ばせてくれて、フジテレビ最高ー!」香取慎吾(フジテレビ『武器はテレビ。SMAP×FNS 27時間テレビ』2014年7月27日)
こうしてクレイジーとドリフから「音楽×笑い」という貴重なテレビの財産を結果的に引き継いだ国民的グループ・SMAPは、その文化の灯りをグループが唯一全員揃う『SMAP×SMAP』で、必死に守り続けてきた。