テレビ屋の声 - 第10回『あさイチ』河瀬大作CP、常識を壊し続ける朝の情報番組がNHKで誕生した理由
自虐的なことも言ったりして(笑)。なんでやるのかを聞いたら「リハって単純にこなすとすごくつまんなくなる。毎日やらなきゃいけないことだから、放送の前だし、面白くしないといけないと思ってやってる」と言ってました。そういう意識が、本番にも通じてるのかもしれないですね。
――『紅白歌合戦』のリハを拝見したときも、有働さんのサービス精神をすごく感じました。
そうなんですよ。あの人、NHKのアナウンサーとしては、ちょっと特殊ですからね(笑)。それと、「これはやっちゃいけない」という考えをなるべく外しているかもしれないですね。
「そういうのは情報番組だからダメなんじゃいか」という空気になったときは「え?なんで? どっちの方が雰囲気が伝わる?」とよく言っています。「こうじゃなきゃダメだ」という固定概念を外していく作業が、『あさイチ』を『あさイチ』たらしめている気がしますね。
●ハプニングも手を叩いて喜んじゃう(笑)
――『あさイチ』は中継コーナーまで、異例だなと感じます。NHKさんでやる中継って、きちんと段取りを組んでリハーサルして、予定時間に収まるようにしてるイメージがあるのですが、ある日の放送で、ワカメ漁をして、急いで港に戻り、すぐしゃぶしゃぶにして食べるという中継がありましたよね。