魚を食べると本当に頭は良くなるのか? - 脳に必要な栄養素「DHA」の秘密 (1) 味の素が子供向けDHAサプリメントを発売
こうした症状は、身体的な疾患症状と同じように見てはいけない」(同)とのことで、例えば英国では5人に1人、つまり20%の学童が統合運動症や失読症の傾向があり、それに対応する特殊な教育を受けたいというニーズが存在すると指摘する。
そうした仕組みの解明に向けた同氏の研究チームが2013年にPLoS One(現PLOS ONE)に発表したDHAと学習および行動に関する研究では、長鎖オメガ3脂肪酸の血中濃度と英国の小児の認知能力や行動の低下には関連性が見られたという報告がされている。すでに先行して実施されていた成人による検査では、オメガ3(EPA+DHA)の赤血球に含まれる比率が低いほど、心血管疾患リスクが上昇するという報告がなされているが、この7~9歳の英国の普通の子供たち500名を対象に実施した研究でも、指先から採取した血液から脂肪酸組成を分析した結果、その平均値は高リスク(4%以下)に当てはまる2.46%であったという。親へのアンケート調査として、週にどの程度魚を食べているかを聞いたところ、約90%の子供は週に2回未満で、内9%はまったく食べていなかったという。ちなみに、英国政府が出している食事指針は、週に油分の高い魚2切れを食べるべきとしている。