映画業界の"端っこ"から見えるもの「やばい」「人が減っている」 - ヤング ポール氏、TCP受賞作への思い
人材が確保できていない。原因は、ほかの業態に比べて労働時間が圧倒的に長くてきつい。さらに、ギャラは不安定で、ダンピングが加速している。
人がいなくなると業界全体が縮小してしまう。では、そんなきつい業界には今どんな人がいるかというと、「本当に映画が好きな人」しかいないんですよね。他の業界は、全員がそのことを好きかというと、そんなことはないと思う。「仕事」と割り切って、生活のために働いている人。職業選択の1つになっている。
でも、映画業界はその比率が極端に低い。職業として成立しづらい側面があると思うんです。
僕自身も結構つらい思いをしました。周りからでも「つらい」と言っている人は多い。でも、そういうことを題材にするのであれば、きついからこそ「ユーモア」が有効な気がしたんです。きつい題材をそのままリアルに映しても人の心に届かないと思っていて、新しい切り口であれば観て下さる方々に提示できるのではと考えました。
今回は低予算ホラー映画が舞台になっていますが、もっと俯瞰してみた時に、突き抜けられない感じとか閉塞感とか、そういう日本全体が抱えている問題が浮かび上がればいいなと思いました。
――「働き方」