2017年5月29日 11:00
映画『無限の住人』8人の証言者たち - 「皆さまのもの」になるまで (11) 木村拓哉、天性の立ち回り「普通の人じゃ無理」 (5人目:殺陣 辻井啓伺氏)
程度です。
――役者さんの経験値によって左右されるんですね。
得意・不得意もありますし、癖もあります。僕らは形から入りますが、そこには心情的な部分も必要になります。立ち回りは、お芝居の意見の1つ。監督にとってそれが違っていたら、また違う意見を出す。そういういろいろな引き出しを持っておいて、現場で出しています。
――殺陣師として「ここだけは譲れない」みたいなことはないんですか?
もちろんあります(笑)。
その時は、納得してもらえるように話し合っています。
○「1回目でやり遂げてしまう」
――今回の撮影を通して、木村さんの秀でた部分も感じたのでは?
常に客観的に自分を見られるところ。後ろ姿でも、「こう撮ってほしい」みたいな動きをされます。後ろ姿でも撮られることを意識できるのは、本当にすごいです。顔を映さなくても、セリフが聞こえてくるような気がするんですよね。
僕が驚いたのは、テストでモニターを見ていた時。何十人もブワーと斬りまくってバシッと構えたんですよ。それが1回目からフレームの中にビシっと収まった。
引きすぎでも、寄りすぎでもない。こんなの、普通の人じゃ無理ですよ。たぶん、カメラのピントマンも楽だったと思いますよ。