くらし情報『北野武を"異業種"時代から支える美術・磯田典宏、『アウトレイジ』に至る引き算の歴史』

北野武を"異業種"時代から支える美術・磯田典宏、『アウトレイジ』に至る引き算の歴史

――決められた予算内でやりくりするのは、日米問わず同じということですね。

ただ、美術的には「ここはこだわらないと」というポイントが必ずある。「お金がないからしょうがない」で諦めてしまうこともありますが、結果的に映画を観た時に残念な気持ちになる。もうちょっと考えられることがあったんじゃないかな、と。美術はいちばんお金を使うところでもありますから、「金食い虫」なんて言われることもありますけどね(笑)。

――監督はあまり感想や評価などを口にしないとも聞きましたが、美術に対してはいかがですか?

たしかにありません(笑)。昔、監督と一緒にロケハンした時のことなんですが、車から降りた時に「ここですよ」と案内した時の反応。それがヒントでした。
監督がどんどん歩いていくと画角を狭くしているということなので、監督の中では納得していない。当然、われわれは納得してもらえる場所を探すつもりではあるんですが、監督はそこで何とかしようと整理する。一時期言われていたのは、「監督が歩いたら終わり」でした(笑)。――車から降りた時が運命の瞬間なわけですね。

そうそう。「監督、違う方を見てます!」とかハラハラしたのを覚えています(笑)。

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