2018年3月30日 21:00
リュック・ベッソン監督、強いヒロインを描く理由とは?
リュック・ベッソン監督が『フィフス・エレメント』(97)よりも以前から温めていたという渾身のSF映画『ヴァレリアン 千の惑星の救世主』が30日、公開を迎えた。原作は、フランス発のコミック、バンド・デシネで連載されていた『ヴァレリアンとローレリーヌ』で、ベッソン監督は10歳の頃、そのヒロイン、ローレリーヌに恋をしたそう。
舞台は西暦2740年、宇宙の平和を守る連邦捜査官ヴァレリアンとローレリーヌが、極秘のミッションを受け、砂漠の惑星キリアンにあるビッグ・マーケットに潜入する。
まずは、ハリウッドのSF大作とは一線を画する、キッチュでアーティスティックな近未来の世界観に陶酔させられる。ヴァレリアン役のデイン・デハーンとローレリーヌ役のカーラ・デルヴィーニュは、フォトジェニックかつエネルギッシュ。リュック・ベッソン監督は、いつもながら若き新進俳優陣を大きなステージへと引き上げ、彼らもその期待に応えた。
すべての撮影は、ベッソンが2012年に共同設立した「シテ・ドゥ・シネマ」という映画複合施設で敢行された。本作は、まさにリュック・ベッソン監督が情熱の赴くまま、自分のチームのみで、4年の歳月をかけて完成させた夢の映像プロジェクトというわけだ。